甲ぢゅんの憂打つ

ネガティブだけど腐らない。パチスロに人生を翻弄された男の憂鬱…。遊打つ。憂打つ。パチスロ系の雑ブログです。

銀玉回想記


『前歯の無い奴に金を貸すな』


とても印象的な言葉だったので、今でも覚えています。

当時、パチンコに夢中になりすぎて身を滅ぼし始めた私は、スポーツ新聞を手に取り、未知の世界に飛び込む事を決意しました。

切羽詰まっていたのです。

f:id:kohdyun:20190226182606j:plain

仕事内容はなんだっていい。
とにかく金が欲しい…!


はい…。簡単に申しますと、風俗(ピンサロ)で働く事になった訳です。
ボッタくり店だと知るのは面接の後でした。


この業界は全く未経験だったので不安でしたが、迷ってる暇はありません。
即決でその日から働く事になります。


よし、とりあえず1ヶ月は頑張らねば…!



f:id:kohdyun:20190226182637j:plain

美輪明宏さんの言葉が頭に浮かびます。


面接してくれたオーナーは、アウトレイジに出てきそうな人で、長年裏の世界を生きてきた圧倒的な存在感がありました。

店に案内される途中で、仕事上のルールを説明されます。

・客は絶対に返すな

・店の女の子に絶対手をだすな

・レジ金が合わなかったら自腹で埋める


「あと・・・前歯の無い奴は信用するなよ?金なんか貸したら絶対返ってこねえからな。」


「・・・え?」



「前歯が抜けたら、恥ずかしいダロ?みっともないよなあ。」

「あぁ・・・ハイ。」

「前歯なんて安く入れられるモンなのによ、平気で歯抜けで生きてる奴は頭の神経がどっかおかしいんだ。考え方が普通じゃねえんだよ・・・」


なぜ急にそんな話をしたのかよく分かりませんが、オーナーが言うと何でも妙に説得力があります。




事務所から歩いて5分ほどで店に着き、先輩方と顔合わせです。ピンサロなので店内は真っ暗でした。



!!!!!

f:id:kohdyun:20190226182817j:plain

根本さん。通称:ねもっチャン
前歯が2本有りません。


こ、この人の事か…!
この人物には注意しろって事だな?
先ほどのオーナーの話は、私を案じたメッセージだった様です。


ねもっチャンの変人ぷりは出会って30分で分かりました。

時々ポケットから何か口に運んでいるので、気になって見ていたら…なんと!歯みがき粉を吸っております (汗)

タバコを切らした私に、気前良く1箱くれたかと思いきや
「タバコ一本ちょーだいッ☆」と言っては15分おきにこっちへ来て、やたら私の肩を揉む (笑)


今までに出会った事の無い人種だっので戸惑いましたが、特に害はないですし、嫌いではないです。
私はスグに打ち解けました。


すると痩せたノッポのおじさんに、ねもっチャンとあんまり仲良くしない方がいいよと忠告されます。
色んな人からお金を借りまくっているんだそうです。

なるほど…私は出会った瞬間からロックオンされていた訳だ…(笑)



仕事内容は、精神的にかなりキツいものでした。
良心がとても痛みます。
何十万も請求する極悪店ではなかったのですが、
宣伝文句と内容が全く違うのです。


40分6000円ポッキリとうたっておきながら実はそれは入場料で、


f:id:kohdyun:20190226183058j:plain

いわゆる、プチボッタ店です。
一度来たお客さんは、二度と来ません。
満足する為には、最低でも3万円は払う事になるのです。


しかしこれは、、、
とんでもない所に来てしまいました (汗)

やはり自分には無理だ…。この仕事はやめておこう。見切りをつけるのは早い方がいい…!
従業員は彼ら二人で何とかなりそうだし…と思っていたら


このタイミングで前歯の無い男がやってくれます。


なんと!ねもっチャンが、その日の売り上げ金を持って失踪するのです…!




これは大事件ですが、オーナーは至って冷静だったので、それがかえって不気味でした。


しかし、ねもっチャンが消えた今、私までいなくなるとノッポのおじさんが一人で大変です。
店が回りません。
さすがに…今辞めるのは気が引けるなぁ…(汗)




朝は捨て看板の取り付け。昼は割引券入りのティッシュ配り。夜は呼び込み。


1日を終えて寮に帰るとクタクタでした。
ほぼ奴隷状態です。


「給料日、待ち遠しいっスね」
缶ビールを飲みながらノッポのおじさんと談笑していると、ここで私は衝撃の事実を知る事になります。


「え?・・・給料なんて出ないよ?」


・・・・・・・・・・・ ( ̄ω ̄;)エッ?


「だって俺、半年ここに居るけど日払い以外貰った事無いよ?」


・・・ ∑(=゚ω゚=;)エッ?「・・・給料50万て書いてありましたけど・・・!」


「あぁ~・・・募集にはそう書いてあるのかぁ~・・・
ふぅ~ん・・・」


ふぅ~ん、て・・・ (多汗)

えぇえええ~??((((゚Д゚ |||)))))))ガクガクブルブル


そんな事があるんでしょうか…!
(因みに、これはかなり特殊なケース。殆んどのお店は、ちゃんと普通にお給料が出ます。)


しかし、このおじさんも相当な訳ありと見ました!何らか事情があってオーナーの元を離れる事が出来ないのです。


やはり、ここに居てはダメだ!常識が通用する世界ではない。



明日、飛ぶぞ…!!





そして翌日、更に驚くべき事が起こります。
トンズラしたはずの 「ねもっチャン」がノコノコ帰ってきたのです!


失踪して3日後の事でした。
この店の人達の行動や発言には、毎日意表を突かれます (汗)


やや興奮気味で、一体何があったのか。何をしていたのか。何処に居たんだ。と、問い詰めると


f:id:kohdyun:20190226183422j:plain

も、もう少しマシな言い訳はなかったのか (汗)
アンタのせいで、こっちは大変だったんだぞッ (笑)


ねもっチャンは大の競艇好き☆風俗大好き男です。
おそらく、それらに全て金を使い込んで行く所が無くなったので戻ってきたのだと思われます。

どうやら他の店でも、そんな事を繰り返していたみたいですね。


しかし

これはオーナーが来たら血の海になりそうだな…
と内心ドキドキでしたが


f:id:kohdyun:20190226183546j:plain

2~3発ぶん殴られる事を期待してたのですが、
あっさり許されてしました (笑)


なんなんだ…ここの人たちわ…
前歯の無い男は、何事もなかったようにまたお店で働く事になったのです。


ね、ねもっチャン・・・(笑)
一般社会では通用しませんが、容姿も含めなぜか憎めない男でわあります。


何はともあれ、これで気兼ねなくここを去る事が出来る。
所持金は8000円ほどしかありませんでしたが、
清清しい気分でした。


頭の中で 「聖母たちのララバイ」 が流れます。
歩道橋から繁華街を眺めて吸うタバコがとてもうまかったです。


そしてその足で、懲りずにまたパチンコを打ちに行くバカな私ですが (笑)
奇跡的に所持金が12万に増えた話は長くなるので割愛いたします。


『前歯の無い奴に金を貸すな』


容姿だけが全てではありませんが、その人物の見た目には、あらゆる情報が詰まっています。


たしかに、前歯の無い男は信用出来ないかもしれません。
しかし、その図太い神経は常人には無いスペックであり、裏の世界を生きぬく為に進化した姿だったのでありました。




END(*^皿^*)